私には、あなたと過ごした記憶が殆どありません。
覚えているのは、一度バイクの後ろに乗せられとても怖かった記憶。
雪の中へ家の窓から投げられた記憶。
そしてあなたがピンセットでひげを抜いている記憶。
そんなものです。
あなたは、いま生きているのでしょうか?
それとも亡くなったのでしょうか?
私が幼いころ、あなたはバイクの事故で足が少し不自由になりましたね。 そして会社を辞め、その後の転落人生。 あの事故は悔やんでもくやまれませんね。
あなたがもし、あの事故にあわなければ、私達、家族との関係もきっと変わっていたかも知れません。
でも起きたことは仕方が無いこと、その後のあなたの選択だったのでしょう。
あなたとの関わりがなくなり、数十年が経ちました。
私は家庭を築き、二児の父になりました。 男の子と女の子です。
とても元気ですよ。 奥さんも素晴らしい人です。
私は、自分が幼かった頃に感じた事を、子供には感じさせないようにしようと心がけています。 あなたのお陰ですね。
生きているか解らない父へ
どうぞ幸せに、お過ごしください。